大腸憩室

大腸憩室症とは

大腸憩室症とは、大腸粘膜に憩室という袋状の凹みができた状態です。憩室の大きさは数mmから1㎝程度のものが多く、加齢とともに多発する傾向があります。
憩室ができた時点では無症状なことが多いですが、憩室部分の血管が出血を起こす大腸憩室出血を起こすと、痛みを感じずに突然大量の血便を生じることがあります。また、大腸憩室が細菌に感染して大腸憩室炎を生じると、腹痛や発熱、吐き気、嘔吐などの症状が現れるようになります。さらに、大腸憩室に穴があく大腸憩室穿孔を起こすと、緊急手術が必要になることもあります。
大腸憩室症は、憩室ができる場所によって左側型、右側型、両側型に分類されます。日本では以前は憩室が上行結腸にできる右側型が多かったのですが、近年では左側や両側にできるケースも増えてきています。


大腸憩室症の症状

憩室自体は無症状のために気づかないことが多く、検診等で大腸カメラ検査を行った際に偶然発見されることが多いです。大腸憩室出血を起こすと、痛みを感じずに突然大量の血便を生じるようになります。
大腸憩室炎を起こした場合には、腹痛や吐き気や嘔吐、発熱、圧痛のほか、病変に近い部分の筋肉が硬化する筋性防御や腫瘤形成などを引き起こします。また、症状が進行して大腸憩室穿孔を起こすと命の危険を伴うこともあり、救急手術が必要になります。


大腸憩室症の原因

大腸憩室症は先天的な原因で生じることが多いとされますが、便秘などで内圧が上昇することによって後天的に生じることもあります。普段から食物繊維の摂取が少ない食生活を送っているなどが、発症リスクを高めるという報告もあります。
憩室部分には腸管の栄養血管が通り、筋肉が欠損しています。この血管が破裂すると大腸憩室出血を引き起こします。また、便秘などで腸管の内圧が高くなって憩室部分が損傷し、細菌感染を起こすと大腸憩室炎を引き起こします。


大腸憩室症の検査

憩室の状態を調べる検査としては、大腸カメラ検査や腹部CT検査が有効です。ただし、無症状の場合は特に治療の必要もないため、検査を行う必要もありません。

大腸カメラ検査

大腸憩室出血の検査

大腸憩室出血の検査では、まずは問診にて血便など現れている症状を伺い、触診で圧痛や筋性防御の有無を確認します。また、抗血小板薬など服薬中の薬の確認が必要なため、お薬手帳を忘れずに持参してください。
血便は様々な大腸疾患で生じる症状の一つですが、大腸憩室出血の場合は痛みを伴わずに突然大量の出血を起こすという特徴があります。出血量によっては早急に止血処置が必要になることもあり、その際には大腸カメラ検査によって出血箇所を確認し、内視鏡で止血処置を行います。腹部CT検査でも出血部位の確認はできますが、止血処置は行えません。なお、大腸憩室出血は自然に止血することもあります。
ただし、大腸カメラ検査でも出血部位が確認できないこともあるため、その際には複数回検査を行います。また、大腸カメラ検査によって小腸からの出血が確認された場合は、出血シンチグラフィー検査など他の検査を行うこともあります。

大腸憩室炎の検査

大腸憩室炎の検査では、急性の腹痛や発熱を伴う場合は、問診を行った上で触診によって圧痛や筋性防御の有無を確認し、血液検査によって炎症の程度を確認します。
その他、膿瘍や穿孔を生じている場合は緊急処置が必要になるため、それら有無を確認するために腹部CT検査などを行います。炎症がある程度緩和したら、大腸カメラ検査を行って大腸がんや虚血性大腸炎などの有無を確認します。


大腸憩室症の治療

大腸憩室症の治療

無症状の場合は、特に治療が必要はありません。食物繊維をしっかり摂り、便秘にならないよう心がけましょう。

大腸憩室出血の治療

大腸憩室出血の治療では、出血量が多い場合は大腸カメラ検査によって止血処置を行います。一方、出血量が少ない場合には、絶食によって腸を安静に保ち、自然に止血されるのを待ちます。
その他、服用している薬の影響で出血を起こしている場合には、薬の服用を一時中止したり他の薬への変更を検討します。

大腸憩室炎の治療

大腸憩室炎の治療では、抗生物質の使用や輸液、絶食、流動食などが行われます。ただし、発熱や穿孔による腹膜炎の可能性がある場合には、緊急手術を行って憩室部分を切除することもあります。

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